・これから一人暮らしを始める方
・アパートに住んでいる方
・現在加入している火災保険の内容が分からない方
・借家人賠償保険について知りたい方
・修理費用補償について知りたい方
★この記事で伝えたいこと★
不動産屋さんに言われるまま火災保険に入ってはいけない!
引っ越しをするぞ!と決めてお金の計算をすると、思いのほか出費がかさむもの。必要な費用は支払いますが、できる限り節約したいですよね。
初期費用は家賃や敷金礼金をはじめ、家具家電や消耗品の購入など含めると何十万円にも上ります。目安は家賃の4〜6ヶ月分とされています。
家賃 | 初期費用(目安) |
3万円 | 12万円〜18万円 |
5万円 | 20万円〜30万円 |
8万円 | 32万円〜48万円 |
そのほか、不動産会社によっては火災保険の加入を条件としている場合が多いです。この理由は後ほど説明します。
火災保険はウチで良いですか?
アパートの契約手続きの際、不動産会社に言われるままに指定の保険会社で加入していませんか?その場合あなたにとって必要以上の補償内容となっている可能性があり、保険料面で損することになるかもしれません。
例えば大学生の一人暮らしの場合、家財の保険金額は500万円も必要ないでしょう。
(YouTubeでも解説しています!)
指定の保険会社で加入する必要性は?
実は、必ずしも不動産会社に指定された保険会社で加入しなければならないわけではありません。
例えば指定保険会社の場合、保険料は2年で20,000円だとします。
ところが、自分で探した保険会社にて合理的な補償内容で加入すれば5年で23,290円です。
・指定の場合 2年で20,000円 1年あたり10,000円
・他社の場合 5年で24,320円 1年あたり4,864円
※あくまで一例であり、試算条件により大きく異なります。
試算条件
・指定=保険会社:イオン少額短期保険/契約タイプコード:2Y20/家財保険金額:367万円/主な補償:火災・落雷・風災・雪災・物体飛来など・水濡れ・騒擾など・盗難・持ち出し家財・水害/借家人賠償責任保険:1,000万円/個人賠償責任保険:1,000万円/修理費用保険金:100万円
・他社=保険会社:あいおいニッセイ同和損保/保険期間:R6.9.1-R11.9.1/契約プラン:エコノミープラン/物件所在地:東京都/建物構造:T構造/家財保険金額:100万円/借家人賠償保険2,000万円/修理費用:300万円/日常生活賠償補償特約:3億円
指定保険会社が高い理由
・セットプランにつき必要以上の補償内容になっているから
・「少額短期保険」の場合、保険期間は最長で2年だから
保険期間は長い方が安く、支払い回数は少ない方が安い傾向
→5年契約の一括払いがオススメ
5年も住まないかもしれない…
引っ越し等の理由で、途中で火災保険を解約した場合は払いすぎた保険料が返金されます
自分で探した保険会社(東京海上、損保ジャパンのほかネット損保など)で加入すれば、必要な補償を選択して加入することができます。
家財の火災保険に加入する必要性について
単身だし家財の補償は別に要らない~
こういった意見は多いと思いますが、実は火災保険の加入を求められるのは次の理由があります。
それは「借家人(しゃっかにん)賠償保険」に加入するためです。
借家人賠償保険とは
もし寝タバコなど、入居者の過失で火災を発生させてしまえば、アパートの所有者である大家さんへの損害賠償責任が発生します。借家人賠償保険はそんな時に力を発揮します。
そしてこの借家人賠償保険は、実は単体で保険加入することができません。
建物や家財の火災保険にセットする形で加入します。地震・噴火・津波に備える地震保険も同様で、単体で加入することができません。地震保険については【【火災保険】地震や津波は地震保険で備えよう!住宅(戸建て・マンション)や家具家財のお守り。】の記事で解説していますのでご参考ください(新しいタブで開きます)
大家さんが加入する火災保険は?
賃貸アパートは、建物の火災保険については通常大家さんが加入しているので、入居者は家財の火災保険に加入した上で借家人賠償保険をセットすることになります。
大家さんが建物の火災保険に入ってるなら借家人賠償保険は要らないんじゃ…
こういった意見があると思いますが、借家人賠償保険が必要な理由を解説します。
(例)
・大家さんの加入する保険
→A保険会社(建物の火災保険)
・入居者の加入する保険
→B保険会社(家財の火災保険+借家人賠償保険)
A保険会社とB保険会社、いずれも賃貸アパートの建物の損害に備える保険として補償が重複しているようにも思えますが、これらは事故発生の原因ごとに役割が異なります。
前述の例で、寝タバコなど入居者の過失で賃貸アパートに火事などの損害を発生させた場合、大家さんに対する損害賠償責任を負うことになると説明しました。
仮にその損害について大家さんの加入するA保険会社から保険金を支払ったとすれば、入居者は大家さんへの損害賠償責任を果たしたことにはなりません。
そこでA保険会社は支払った保険金について、損害賠償義務を負う入居者に対して損害賠償請求を行う可能性があります。
この時、借家人賠償保険に加入していなければ高額な賠償金を入居者が自腹で支払わなければなりません。(もちろん加入していれば、保険金額を限度にB保険会社で対応可能です)
台風や洪水など、入居者に過失のない自然災害などで建物に損害を被った場合は大家さんの加入するA保険会社で対応することになります。ついては、入居者の過失で事故を発生させた場合に備えて借家人賠償保険に加入する必要があります。
① 自然災害など、入居者に過失のない場合
→大家さんが加入するA保険会社で対応
② 寝タバコなど、入居者に過失のある場合
→入居者が加入するB保険会社(借家人賠償保険)で対応
修理費用補償について
借家人賠償保険と似た、「修理費用補償」というものもあります。
修理費用補償とは、事故により入居者が借りている部屋のドアや窓ガラスなどを修理した場合の修理費用について保険で対応してくれるものです。
借家人賠償保険との違い
両者とも事故で建物に損害が発生した場合に保険対応できる点では同じですが、次のような違いがあります。
借家人賠償保険→入居者に過失がある事故の場合に対応できる
修理費用補償→入居者に過失はないものの、賃貸契約上入居者が修理代を負担するものと定めたものを修理した時に対応できる
この修理費用補償は借家人賠償保険とセットになっている場合もありますが、保険加入時に必ず確認しましょう。
まとめ
・アパート入居時に家財の火災保険に加入するのは「借家人賠償保険」をセットするため
・不動産屋さん指定の保険会社で加入する必要はない
・火災保険の保険料は5年一括払いがおすすめ
筆者は現役で10年以上保険屋に勤務する者です。当サイトやYouTubeを通じて保険に関する有益な情報を発信しております。自動車保険を安くする方法や保険料の安いネット損保ランキングなどをまとめていますので、良かったらご参考ください!
コメント