通勤中に起こった事故は個人賠責で補償されるのかな?
結論から言うと、個人賠償責任補償特約(以下、個人賠責特約)は通勤中や仕事の休憩中に発生した事故も補償対象となります。
当記事では個人賠責特約の詳細と、保険金支払い可否について解説します。
個人賠償責任補償特約とは
本題に入る前に、個人賠責特約について解説します。
日常生活において、自分や家族が他人にケガをさせてしまったり、他人のモノを壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険です。
保険金額と保険料
保険金額(支払い上限額)は3億円や無制限などで、保険料は月々100円~300円前後です。
それぞれ保険会社や商品によって異なります。
なお、個人賠責特約は自動車保険や火災保険、傷害保険などに特約をセットする形で加入します。
特約の名称について
当特約は保険会社によって名称が異なります。大手損保四社の自動車保険においては次の名称で販売しています。
●東京海上日動
→個人賠償責任補償特約
●損保ジャパン
→個人賠償責任特約
●三井住友海上/あいおいニッセイ同和損保
→日常生活賠償特約
個人賠責特約を自動車保険で例えると、対人・対物賠償保険に該当します。
したがって、自身や同居親族にケガをさせた・モノを壊してしまったなどの事故は補償対象外です。
補償の対象者
★別居の未婚の子の「未婚」の定義について
離婚して現在は独身、という場合は「未婚」に含まれないので注意しましょう。
対象となる事故の例
・誤って他人にぶつかりケガを負わせてしまった
・買い物中に誤って商品を壊してしまった
・自転車の運転操作を誤り、駐車中の車にぶつかり傷をつけてしまった
・散歩中に飼い犬が他人を噛みケガを負わせてしまった
・洗濯機のホースが外れ水浸しになり、階下の居室に漏水させてしまった
自転車の運転中に起きた事故は補償対象ですが、原付バイクや電動キックボードなどを運転中に起きた事故は補償の対象外となります。
ついては個人賠責特約ではなくファミリーバイク特約などで備えましょう。ファミリーバイク特約についてはこちらの記事で解説しています。
通勤中や休憩中の事故は対象?
さて、ここから本題です
通勤中や仕事の休憩中の事故も補償対象と前述しましたが、ここで保険会社の約款(規定)を確認してみましょう。
何やら難しい文言と感じるかもしれないので具体例を挙げます。
個人賠責特約で対象となる事故の例
①仕事の昼休憩に自転車でコンビニへ行く途中、歩行者にぶつかりケガをさせてしまった
→コンビニへ行くのは昼ご飯の購入が目的であり、職務遂行に直接起因しないため保険金支払い対象となる
②通勤中に誤って他人にぶつかりケガをさせてしまった
→通勤は職務遂行に直接起因しないため保険金支払い対象となる
個人賠責特約で対象外となる事故の例
自転車で出前の配達中、歩行者にぶつかりケガをさせてしまった
→出前の配達は職務遂行に直接起因するため、保険金支払い対象とならない
業務を遂行するために行動していたか否かがポイントになります。
個人賠責特約Q&A
- 個人賠責特約の保険金額(上限額)はいくらですか?
-
1億円や3億円、無制限など、保険会社や商品により異なります。
- 個人賠責特約の補償範囲は?
-
①本人(記名被保険者)
②配偶者
③同居の親族
④別居の未婚の子(婚姻歴がないこと) - 「別居の未婚の子」の、「未婚」の定義を教えてください
-
『過去に婚姻歴がないこと』です。過去に離婚して現在は独身の場合、未婚には含まれませんので注意してください。
- 自分のケガの補償も対象ですか?
-
いいえ。個人賠責特約特約は日常生活における対人・対物賠償事故のみが補償対象であり、ご自身の身体や所有する財物の補償はありません。
- 仕事中の事故も対象ですか?
-
はい。職務遂行に直接起因する損害賠償責任ではない場合、保険金支払い対象となるケースがあります。
- 事故で保険を使うと保険料は上がりますか?
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いいえ。個人賠責特約保険で保険金を支払ったとしても、次回の保険料は上がりません。
- 個人賠責特約保険はどのような事故が対象ですか?
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日常生活における偶然な事故で第三者に対する法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険です。具体的には買い物中に誤って商品を壊してしまった場合や、自転車乗車中に駐車中の車にぶつかり傷をつけてしまった場合などが保険金支払い対象となります。
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