親の等級(20等級)を引き継ぎたいけど、別居だから無理なのかな?
何か裏ワザのような方法はないの?
こんな悩みを抱えている人は多いです。
結論から言うと、配偶者間であれば別居でも引き継ぎ可能ですが、それ以外の続柄では原則別居だと等級引き継ぎはできません。
本記事では、
- 別居時に等級を引き継げるケース・引き継げないケース
- 「裏ワザ」と言われる方法は危険
- 引き継ぎできない場合の現実的な選択肢
- 等級引き継ぎの有無でどれくらい保険料が変わるのか(試算例)
を分かりやすくまとめました。
1. 自動車保険の等級引き継ぎは「同居」が原則
自動車保険の等級は、基本的に記名被保険者と同居の親族間でのみ引き継ぎが可能というルールがあります。等級の引き継ぎが可能な親族の範囲は「6親等以内の血族」および「3親等以内の姻族」となります。
ここで注意したいのが、「同居か別居か」の判断は住民票ではなく実態が基準という点。
- 実際に同じ家に住んでいればOK
- 住民票が一緒でも、実際は別々に暮らしているなら別居扱い
というのが保険会社の考え方です。
2. 別居でも引き継ぎできるのは配偶者だけ
同居していることが引き継ぎの要件となっていますが、例外として配偶者および配偶者と同居の親族へだけは別居でも引き継ぎ可能です。
単身赴任・転勤などでやむを得ず別居になることが多いため、特別に認められています。
▼別居でもOK▼
・配偶者
・配偶者と同居の親族
▼別居だとNG▼
・子
・祖父母
・兄弟姉妹 など
親子間や兄弟間は、どれだけ関係性が近くても別居している時点で引き継ぎできません。
なお、記名被保険者の配偶者と同居している親族へは引き継ぎすることができます。
具体例を挙げると単身赴任などで別居している父親の割引は、母親と同居している子どもへ引き継ぐことが可能です。
3. 裏ワザでどうにかなる?という疑問について
ネットなどで時々みかける、住民票を一時的に実家へ移して同居に見せかけるといった「裏ワザ」のような情報があります。
この方法で保険会社や代理店のチェックをすり抜けて等級継承できた場合でも、事故発生時に不正が発覚する可能性が高いです。
実態と異なる申告は、
- 保険金が支払われない
- 契約解除
など重大なリスクがあります。もし周りからこのような方法を勧められたとしても、それは正しい手続きではありません。
正しく申請しないと後々トラブルになるので、事実と異なる裏ワザ的な方法は絶対にしてはいけません。
4. 引き継ぎの有無でどれだけ保険料が変わる?【試算例】
ここでは等級を引き継いだ場合と、新規加入した場合の保険料の違いをイメージできるように、筆者が試算した保険料を紹介します。
今回は20等級の車を持つ親(50歳)と、その子供(18歳)が車を購入した場合を想定して試算しております。
等級を引き継がない場合
| 親 | 子 | |
| 車名 | ヴォクシー | アクア |
| 等級 | 20等級 | 6S等級 |
| 年間保険料 | 74,460円 | 305,340円 |
| 2台の合計 | 379,800円 | |
等級を引き継いだ場合
| 親 | 子 | |
| 車名 | ヴォクシー | アクア |
| 等級 | 7S等級 | 20等級 |
| 年間保険料 | 110,430円 | 194,520円 |
| 2台の合計 | 304,950円 | |
●親の情報
ヴォクシー(ZWR90W)/令和4年式/記名被保険者の年齢:50歳/運転者限定:35歳以上・夫婦限定/免許証の色:ゴールド/使用目的:通勤・通学使用/車両保険金額:250万円
●子の情報
アクア(NHP10H)/平成30年式/記名被保険者の年齢:18歳/運転者限定:年齢問わず・本人限定/免許証の色:グリーン/使用目的:通勤・通学使用/車両保険金額:110万円
●補償内容
保険会社:あいおいニッセイ同和/対人・対物賠償:無制限/人身傷害:8,000万円/車両保険:一般補償,免責なし/レンタカー特約:日額7,000円/弁護士特約:親の契約のみ付帯
ポイント
当試算例では、等級を引き継いだ場合との保険料差額は74,850円となりました。等級を引き継がなかった場合の子供の保険料は305,340円と、負担は相当重いです。
試算結果は保険会社や補償内容等により大きく異なりますが、等級の引き継ぎをするとしないとでは年間で数万円レベルの保険料差になることがほとんどです。
そのため、等級の引き継ぎ可否は家計に直結する大切なポイントとなります。
5. 引き継ぎができなかった場合の最適な動き方
結論、子供が車を購入したが別居のため等級引き継ぎ不可である場合は、新規で自動車保険を契約することとなります。
※別居となったお子様に配偶者などの所定の親族がおり、なおかつその親族の自動車保険が11等級以上ある場合はセカンドカー割引を適用することができる場合があります。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
とはいえ、若い方で自動車保険に新規加入するとかなり保険料が高くなるケースが多いです。また、同じ補償内容でも保険会社ごとの差がとても大きいのが実情です。
- A社:年額 6万円
- B社:年額 7万円
- C社:年額 11万円
このように、同じ条件でも5万円以上差がつくケースは珍しくありません。ちなみにネット損保では、保険料のうちの付加保険料(人件費や店舗維持費など)を抑えることができるため、保険料が安い傾向にあります。

6. 新規加入のときは「一括見積サービス」が便利
新規契約の場合は、複数社の料金を一度に比較できる一括見積サービスを使うとムダがありません。
理由はシンプルで、各保険会社で保険料が異なるからです。

損害保険会社は国内外にたくさんありますが、筆者が同水準の条件で1社ずつ見積もりを取った際は相当の時間と労力を要しました。
その点、一括見積サービスなら一度の入力で最大20社の保険料がリアルタイムですぐに分かるため、効率よく自分に合った保険を選びやすくなります。
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まとめ:別居での等級引き継ぎは限定的。できない場合は比較が重要
- 親子・兄弟などの別居間では等級引き継ぎは不可
- 例外は配偶者・配偶者と同居の親族のみ
- 「住民票」ではなく「生活の実態」で判断される
- 新規契約は割引が少ないため、複数社比較が費用を大きく左右する
別居で引き継ぎできず困っている場合でも、複数社の見積もりでしっかり比較すれば、無駄な支出を減らすことは可能です。
まずは、あなたの条件での保険料がどのくらいになるか、一度比較してみるのがおすすめです。
情報を入力するとすぐに保険料結果が分かるので、ぜひ試してみてください!
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- 母親と同居しているものの住民票が別住所になっている娘は、母親が持つ割引等級を引き継ぐことはできますか?
-
はい、実際に同居していれば等級の引き継ぎは可能です。住民票の住所ではなく、実態として同居しているか否かが判断基準となります。
- 父親は単身赴任のため別居していますが、母親と同居している息子がいます。この場合、父親から息子への等級引き継ぎは可能ですか?
-
はい、配偶者の同居の親族にあたるため、等級の引き継ぎは可能です。所定の確認資料の提出が必要となる場合があります。


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