台風シーズンが近づきました。毎年のように大型台風による被害が報道されていますが、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
台風で家に被害が発生した時に適用される保険はあるの?
A.火災保険で対応することができます。
具体的には火災保険に風災補償をセットしている場合に保険金支払い対象となります。
まずは保険証券を確認してみてください。
台風や突風など、自然災害による住宅への被害が心配な方も多いのではないでしょうか?
火災保険の風災補償は、そんなあなたの不安を解消する一つの手段です。
当記事では風災補償がどのようなもので、補償される範囲や注意点などについて分かりやすく解説します。
皆様の保険見直しのきっかけとなれば幸いです。
★国内損保大手四社(東京海上日動,損保ジャパン,三井住友海上,あいおいニッセイ同和)を前提としています。
火災保険の風災補償
火災保険に風災補償をセットしているからと言って、建物に被害が出た場合に必ずしも保険金がおりるとは限りません。
早速ですが、支払い対象となるケース・ならないケースを見ていきましょう。
建物への被害
窓ガラスの損害
強風で窓ガラスが割れた・ヒビが入った場合
→保険対応可能です
窓ガラスの修理代は「建物」として風災補償の支払い対象となります。
また、窓ガラスが割れると窓が開いたままの状態になりますよね。
その日のうちに修理業者が来てくれればいいですが、周辺の地域で多くの家屋に被害が発生していれば業者の到着まで日を要することも。
放っておけば割れた部分から雨風が吹き込んでしまいます。
そこで、応急措置としてボードやブルーシート、養生テープなどを購入したとします。その場合にそれらの購入費用も保険で補填してくれる場合があります。
事故が発生した場合に、その損害の拡大防止のための出費や仮修理費用など、応急措置のために支出した費用が対象となります。
スクラップを搬出するにはお金がかかりますが、それも「残存物取り片付け費用」として保険支払い対象となることも。
保険会社ごとに支払いの上限が設けられていることと、保険金請求の際に領収書の原本が必要となる点には注意してください。
また、事前承認を必須とする場合が多いので、あらかじめ保険会社に連絡しましょう。
このような補償は火災保険に自動付帯されている場合が多いので、ぜひご確認ください。
建物外壁の損傷
強風でモノが飛んできて家の外壁に擦り傷ができたとします。
これは保険の支払い対象外です。
壁に穴が開いたなどの場合は別ですが、保険会社の多くは擦り傷や塗料のはがれ落ちなど、単に外観上の損傷や汚損は支払い対象外と定めています。
これは家財に関しても同様です。
雨漏りについて
「雨漏り」は火災保険の支払い対象になるケースとならないケースがあります。
支払い対象になるケースの例
強風で屋根瓦が破損し、そこから雨漏りが発生した場合
台風などの災害が原因で建物に損害を被り、その部分から雨漏りが発生した場合に支払い対象となります。
屋根などの修理代が風災補償の保険金支払い対象です。
支払い対象にならないケースの例
建物の老朽化や経年劣化に起因する雨漏りの場合
火災保険に限らず損害保険に共通して言えることですが、経年劣化に起因する損害は補償対象外です。
保険はあくまで、不足かつ突発的な事故や自然災害などによる損害への備えです。
家財への被害
火災保険に家財の風災補償もセットしている場合は家具等も補償対象となります。
ただし、建物の外側の部分が強風などによって破損し、その破損部分から建物内部に雨風が吹き込むことによって家財に生じた損害に対してのみ、お支払い対象です。
保険で対応できる事故の例
具体例①
強風で窓ガラスが割れ、その部分から吹き込んだ風でテレビが倒れて液晶画面が割れた
具体例②
強風で破損した屋根部分からの雨漏りで、室内の電化製品が故障した
具体例②は雨漏りで故障したのに風災補償なの?
元々の原因が風のせいだからです。
→雨漏りで濡れたから
→屋根の瓦が破損したから
→台風などの強風のせい
保険で対応できない事故の例
(例)
窓を開けたまま外出しており、窓の近くに設置していたテレビが台風の強風で倒れ液晶画面が割れた
窓の開けっ放しによる雨風の吹き込みは前述の『建物の外側の部分が強風などによって破損し、(中略)家財に生じた損害』に該当せず、保険支払いの対象外です。
そのほか、故意に(わざと)破損させた場合はもちろん、家の外に置いていた家具に発生した損害なども支払い対象外です。
詳細はご加入の保険会社のパンフレットや約款をご確認ください。
保険金支払いに関する注意点
保険金支払い時における大切なポイントがあるので解説します。
免責方式とフランチャイズ方式
あなたの保険証券の風災補償項目には『免責金額○万円』『FC20万円』などの記載はありませんか?
まずは免責金額について説明します。
保険会社から保険金を受け取る場合に、補償を受けられる方(契約者など)が自己負担する金額
免責金額の設定は『なし/3万円/5万円/10万円』など、保険会社や個々の契約によりさまざま
免責金額を設定した契約で保険金を受け取る場合のイメージを図式化しました。
このように、免責設定した金額分だけ受取保険金に自己負担が発生しますのでご注意ください。
上図の例であれば本来なら50万円受け取ることができるものが、それぞれ免責金額が差し引かれてしまっています。
現在免責金額を設定している場合、なしにした方がいいかもしれませんね。
続いてフランチャイズについて説明します。
損害額が設定した金額に満たない事故は補償対象外となり
設定した金額を超える事故のみ補償対象となる(自己負担なし)
簡単に言えば保険対応可/不可の基準額です。
例えばフランチャイズを20万円設定した契約があるとします。
その場合、損害額が20万円を超える事故のみが保険金支払い対象となります。
損害額が
20万円に満たない → 受け取れる保険金は0円
20万円以上 → 自己負担ナシで保険金を受け取れる
損害額が20万円未満の事故では1円も支払われず、20万円以上となる事故では全額保険金が支払われる、というわけです。また、免責方式とは違い自己負担金は発生しません。
例えば窓ガラス1枚の損害等では20万円に満たないこともあるので注意が必要です。
ただし、高層階の窓ガラス修理などでは足場を組むための工賃が発生します。(結構高額です)
その費用も損害額に認定されると20万円以上となり、支払い対象となることも。
以下に免責とフランチャイズあり/なしの保険金受け取りイメージ表を作成しました。
免責とフランチャイズは何のために存在するの?
保険料節約のためです。
T構造、H構造※別で風災等の免責金額を[なし/1万円/3万円/5万円/10万円/20万円]と設定した場合の保険料比較表をご覧ください。
M構造・・・マンションなどの共同住宅のうち、レンガ造やコンクリート造などのもの
T構造・・・耐火構造の建物。鉄骨造建物、石造建物など(共同住宅を除く)
H構造・・・非耐火構造の建物。木造建物、不明なもの
5年でこれだけ?
建物構造や契約条件によって保険料差額は大きく異なりますが、節約効果が薄いと感じる方は免責金額は設定しないことをおすすめします。
有事の際は何かと出費がかさむもの。自腹を切るのは避けたいですね。
なお、保険会社や築年数によっては免責金額の設定が必須となる場合もあります。
※現在は新規契約においてフランチャイズ方式の引き受けを停止している保険会社がほとんどです。
保険金の上乗せ
余談ですが、事故で保険金を受け取る場合に10%~30%上乗せしてもらえる可能性があります。
名称は保険会社ごとに異なりますが、次の特約をセットしている場合です。
- 東京海上…臨時費用補償特約
- 損保ジャパン…臨時費用保険金
- 三井住友…事故時諸費用特約
- あいおい…事故時諸費用特約
(例)
窓ガラスの修理で20万円の保険金を受け取る際、当該特約をセットしていた場合
上乗せ額を30%で契約している場合は6万円多く受け取ることができていますね。
(現在は各社30%の引き受けを停止しています)
なお、上乗せで受け取ったお金の使い道は自由です。
ガラスを上質なものに変えるもよし、ランチに行くもよしです。あなたの契約に特約がついているか保険証券で確認してみましょう!
まとめ
- 台風などによる被害は火災保険の風災補償で備えることができる
- 建物だけでなく家財を補償対象とすることも可能
- 擦り傷や塗装のはがれなどの場合は補償対象外
- 「雨漏り」は強風などが原因なら風災補償で対応可能
- 免責金額は保険金受け取り時の自己負担額
- フランチャイズは保険対応可/不可の基準額(自己負担はナシ)
火災保険は住宅の火災の補償だけでなく、自然災害による損害も補償対象とすることができます。
自然災害の件数増加・規模拡大している現状を鑑み、風災補償などの備えは必須です。
台風シーズン前に、火災保険を見直しすることをおすすめします。
テレビをつけると「何年に一度」「観測史上最大」と毎年のように報道されていますよね。
保険会社の支払保険金のグラフをご覧ください
2018年、2019年はいずれも1兆円を超える支払いとなっています。(!)
結果、各保険会社の収支が合わなくなり2024年10月に火災保険が全国平均過去最大の値上げを実施する運びとなりました。
近々満期を迎える方は値上げへの対策が必須です。
値上げ対策は【火災保険がまた大幅値上げ!安くするおすすめの対策方法の紹介】の記事で解説しておりますのでご参考ください。
値上げ対策として他社比較することは実に大切です。
保険料は建物の構造、築年数、都道府県のほか加入する保険会社によっても大きく異なります。
とりわけネット損保は代理店手数料や店舗維持費などの中間コストをカットできる分、保険料が安い傾向にあります。
1社だけの見積もりを取ることは簡単ですが、比較するために複数社見積もりを取るのはかなり大変です。
一括見積もりなら、一度の入力で複数の保険会社を比較できるので、時間と手間が大幅に節約できます。
無料なので、あなたの場合いくらになるかこちらから試してみてください!
\ 最短3分で一括見積もり /
当記事が皆様の保険見直しのきっかけとなれば幸いです!
コメント